このブログのこれからー自分にとっての対話とは
このブログを始めた経緯はと言えば、対話する場の実現と、その実施報告ということだった。
当時、対話カフェ、哲学カフェという名称で様々に実践している場に行ってみたりして、自分流の場を始めてみた。
自分を取り巻く状況の「対話」の無さ、不毛さへのストレスみたいなものが背景にあった。
その後直接的にテーマについて考えるというやり方ではなくて、物語表現を通じてテーマを考えるというやり方に変わってきた。
そのやり方でも数回試行したが、まだ主宰してやるようなことは難しいと思っている。
森鴎外『高瀬舟』を読むことで、対話の生まれる場と登場人物の対話そのものを知ることができた。
自分には節目になる作品となった。
物語表現は読む人に対話を促す。(全ての作品という訳ではないが。)
朗読という手段を使って自分の身体に一度入れてそれを出すというやり方をしばらく続けていきたい。
対話のための手段は変わっていっても、このブログに書くような方向のことはあるようなので、それをなるべく文章にしていけるようにと思う。
朗読で対話―『高瀬舟』ー少欲に生きる
今回は、参加者がなく開催はできなかったが、森鴎外『高瀬舟』をある期間、朗読(練習)することで、深く考え、作品を通じて対話することができた。
そしてそれはまだ続いている。
この作品は、ユーチュ―ブでたくさんの人の朗読が聴ける。
関心があったのでいくつか聴いてみた。だが、どうもほとんどが(自分の描く高瀬舟とは)違う。
もっとも自分の描く高瀬舟を朗読で表現したいと思っても、それも難しい。
多くは、「格調」が高すぎる。そして暗い。
当時の社会の下層で生きてきた「喜助」と下級役人の「羽田庄兵衛」の会話なのに。
それに喜助は島送りになるわけだが、そこに今までなかった「明るい」希望を持っている。
当たり前に与えられた境遇を精一杯生きる。そしてこれからも希望を抱いて生きる。その格調ある生き方と明るさをどう表現することが出来るか。
朗読の技術は必要かもしれないが、表面的なところに留まるのではないか。
自分の中に同じようなものがないと表現は難しい。
自分のいい加減さや、現状の不満を嘆いたり人のせいにしていることを鑑みるとなかなかこの作品の朗読は難度が高い。
けれどもその難度の高さに向かっていく方法、つまり、もしその人がそれを求めているとしたら(せめて気になるくらいでも)だが、なるほどと気づいて行動に指針を与えてくれる仕方が作品の中に提示されている。
それは、庄兵衛が喜助の気色が気になって話を聴く場面、そこで庄兵衛の心の中で生まれている対話ではないかと思う。。
自分の中に今までなかったこと、漫然としていたことに気づき、対話が生まれ、そして相手の話を聴きつつ、自分と対話する。
『高瀬舟』は、その場面と一定の長さの時間(場面と時間は分けられない。)を描いているように思う。
そのことが、自分にとってはこの作品に大変興味を惹くところだ。
開催予定:6月27日(日)10時~
次回の山ろく対話のお知らせです。
今回は前半の、喜助の足るを知る生活の有り様をテーマとしたところを取り上げます。
参加者数によっては役を分担して朗読していけたらと思います。
ここは、喜助の様子や話から庄兵衛の心の中で次々に対話が生じてくる場面です。
対話ということを掲げた場を設けているものの、もう一つ(いやそれ以上に)はっきりしなかった、対話の生じる場面を示してくれています。
喜助と庄兵衛の生活、境遇そして足るを知るということ、会話を通じて気づいていくこと。
そうしたことを提供する作品世界に、自分たちも参加していけたらと思います。
日時: 6月27日(日)10時~(2時間くらい)
場所: オンライン上の会議室、Zoom (無料プランで行いますので途中数回休憩を
入れます。)
募集人数: 5人(参加者3名以上で開催します。)
(文庫版 青空文庫等をご用意ください。)
進め方: 前半部分は朗読で20分くらいです。
分担して読んで作品世界に入っていこうと思います。
朗読後また感想を出し合いましょう。
申込み・問合せ: 開催日前日正午までに、お名前と住んでいる場所(都道府県)を
下記のアドレスまでお知らせください。
「野ばら」の発表会
先日の20日(木)、前橋の朗読サークルで「無観客」発表会がありました。
私は、青年役をメンバーの方にお願いし、老人と語りで「野ばら」を朗読しました。
これを機に、小川未明の「野ばら」執筆前後の社会・時代を少し調べてみました。
1914~1918 第一次世界大戦
1918 シベリア出兵
1920 「野ばら」発表 (初出は「野薔薇」大正日日新聞) 国際連盟発足
(2月に日本住民が数百人虐殺された尼港事件が起こる。)
お互い兵士ではあっても、仲良くなった老人と青年が、戦争と同時に、敵どうしになった。 ・・・・・・・それがいかにも、不思議なことに思われました。
ここが、この作品の一番底辺のテーマかと思います。
そして、現実には、そのあとの青年の台詞 「・・・・・私の敵は、ほかになければなりません。・・・・・」 ここでの敵とは何か?それにたいしてどういう行動をとるか?
それが、現実的なテーマになるかと思います。
そんなことを、作品の朗読(という表現)で伝え合う。
そのためには、一方的に伝えるのではない仕方が必要になると思います。
作品を通じて、感じたことや考えたことを語り合うことができれば、
それが「朗読+対話」の可能性かと思います。
開催予定:5月30日(日)17時~
次回の山ろく対話のお知らせです。
オンラインで開催するイベントが増えているようです。
私もいくつか参加しています。
地域に限定されず広く参加者を募れるやり方です。
このイベントに関して云うと、告知の仕方はこのブログとジモティ、そして時々Twitterです。
それでも、この企画の内容がマイナーなのか、まだ関心示してくれる方は極めて少ないです。
この記事を見かけて、関心持った方がおりましたらご連絡ください。
対話が生まれる方法については毎回試行錯誤しています。
現在は題材に作品を用いて、その作品世界に朗読という手法で入っていくという方法で行っています。
それぞれの時代や社会的な背景を有し、また自分とは異なる人物が登場する作品世界に自分を投げ入れてみましょう。
共感というより、自分のなかで振れるところ(共振)を見つけられたらと思います。
さまざまに考え、感じたことを自由に出し合っていきましょう。
日時: 5月30日(日)17時~(2時間くらい)
場所: オンライン上の会議室、Zoom
募集人数: 5人(参加者3名以上で開催します。)
題材 : 森鴎外『高瀬舟』 今回はこの作品のみを取り上げます。
(文庫版 青空文庫等をご用意ください。)
進め方: 朗読で40分くらいの作品です。 始めに読んでみての感想を出し合い、
そのあと分担して読んでいこうと思います。朗読後また話し合いの時間を設け
ます。
申込み・問合せ: 開催日前日までに、お名前と住んでいる場所(都道府県)を
下記のアドレスまでお知らせください。
開催予定:4月29日(木)10時~12時くらい
次回、4月29日(木)10時~オンラインで開催します。
前回同様、短編小説の朗読を通じての対話という形で行います。
取り上げる作品は、「野ばら」小川未明(初出は1920年「野薔薇」大正日日新聞)です。この作品については担当を決めてできれば3人で読んでいこうと思います。
それ以外に参加者の方から1~2作品(青空文庫で10分以内に読めるもの)お寄せください。
朗読の上手さを目指す場ではありません。
朗読を通じて作品世界に入ること。
理解したこと、想像したことを作品の言葉で表現して伝えてみる場です。
お互いの感想や意見を話し合い、新しい気づきが得られたらよいと思います。
●募集定員は5名まで。
●申込み締切は、28日の正午まで。
次のアドレスに名前と住んでいる住所(都道府県、市町村と朗読作品がある方は作品
名をご連絡下さい。 nknm18foestk32km@gmail.com
●ZOOMの無料プランでおこないますので、40分ごとに休憩(入退室)します。
ビデオオンで参加をお願いします。